物語くださいな

「物語」に惹かれます。本はもちろん、あらゆるところから見つけた物語を記事にしています。

絶望名人『フランツ・カフカ』の星を読ませていただきました

こんにちは!なかむらむつらです。

「朝起きたら主人公が毒虫になっている」有名な小説『変身』の作者である「フランツ・カフカ」の文庫。

『絶望名人カフカの人生論』

f:id:koharu1666:20190211220130j:image

絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

もともと好きな作家さんだったのですが、このスタイリッシュなネガティブ発言満載の文庫を読んで、ますます好きになりました。

なかなかすごいです。一部抜粋させていただきます。

将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
将来にむかってつまづくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。

「倒れたままって!」と思わずつっこんでしまいました。

つまづくことはできる。さらに、その上にこの強力な一文、最高のセンスで大いにツボに入ってしまいました。

短い文章ばかりですので、ぜひ手にとって、好きなページから開いて読んでみてください。絶望すぎて気持ちいいです。

 

カフカの星にはポジティブな木星

さて、こんな絶望名人のカフカはどんな星を持って生まれているんだろう??

さっそくホロスコープを読ませていただきました。

彼は、1883年にチェコユダヤ人の家庭に生まれています。

どんなにネガティブシンキングな星かと思いきや。。。


f:id:koharu1666:20190211215819j:image

幸運の星と言われる【木星】が、彼の生き方や自我を表す【太陽】に重なっているではないですか。

これは、西洋占星術の世界では、「前向き」「ポジティブ」「自己肯定的」などと解釈するのが一般的です。

その人の生き方の中心となる【太陽】ですが、カフカの【太陽】にはこの【木星】以外に他の星との目立った関係はありません。

一瞬、誕生日が間違えているのかな??と混乱したのですが、いや、まてよと。

 

蟹座は硬い殻で自分を守る

カフカの【太陽】は『蟹座』です。

『蟹座』は自分の居場所であり、基盤です。

とても繊細で傷つきやすい内面を守るために、カニのような硬い殻で自分自身や大切な家族や愛する人を守ります。

鉄壁の防御。

この文庫の中に、カフカの友人が残している言葉があります。

「君は君の不幸の中で幸福なのだ」

なるほどカフカは、絶望している自分を100%肯定していると捉えれば、とてもしっくりきます。

誰も寄せ付けないほど完璧に絶望して、その閉じた自分の世界の中で、絶望した自分自身をある意味愛して生きているととらえれば、【太陽】【木星】の重なりにそこまで違和感はありません。

ネガティブで絶望している自分を100%肯定している。そいういう意味での前向きさ。

なんかだかややこしいですが。

絶望名人カフカ、この人、最強なのでは、と感じました。

カフカのネガティブ発言を読んでも、全然暗い気持ちになったり、嫌な気持ちにならないのは、カフカが自分自身をちゃんと認めて愛してることがわかるからなんですね、きっと。

 

言葉のセンスは軽やかな月と金星と水星

それ以外の星も、濃厚です。

無意識や潜在意識、感情などを表す【月】は『双子座』で、そこに愛と美の星【金星】と、情報と伝達の星【水星】がダブルで重なっています。

『双子座』は伝達やコミュニケーションが得意で、好奇心の赴くまま、軽やかに動きます。

風の星座である『双子座』の軽やかさと【金星】の美意識、センスが、カフカの言葉を司る【水星】を生き生きと彩って、あの文章が生まれているのですね。

【月】は、無意識に表現されるものなので、それが自然にできてしまうのがカフカなのです。

彼の作品は、生きている間にはほとんど日の目を見ずに終わったのですが、それは、彼の表現を表すさっきの【月】【金星】【水星】に、自由と革命の星とされている【天王星】が少し難しい角度で関係しているのを見ると、致し方なかったのだと思います。

その時代には革新的すぎたということですね。

 

彼の情熱を表現する火星

さらに、情熱やエネルギーを表す【火星】は『牡牛座』で、夢とイマジネーションの星である【海王星】とぴったり重なっています。

『牡牛座』はとても粘り強く、自分の確固とした価値観を現実に持ち込みます。

それが【火星】という強いエネルギーを発散する星となっているので、【海王星】と合わさって、夢やビジョンを追いかけ続ける人とも読めます。

型にはまった平凡はどうでもよくて、自分の世界観に揺るぎない自信を持っています。

そして、この【火星】と【海王星】にも【天王星】が、こちらはとても良い角度でエネルギーを送っているので、独特の世界観を自分だけのやり方で表現していこうとします。

カフカは、どの時代にどんな環境で生まれたとしても、ほとんど変わらない「フランツ・カフカ」だったのではないでしょうか。

それくらい、彼は、自分を愛し肯定しているのだと思います。

 

自分をわかってくれる「他者」を求めて

カフカは小説以外に、膨大な数の日記や恋人に宛てた手紙を残しています。

『蟹座』である彼は、自分という存在を受け入れて守ってくれる他者も必要としていたのでしょうね。

「自分」という存在を強く意識したとき、それを100%わかってくれる人なんて存在しなくて、余計に寂しさや孤独を強烈に感じるようになるのかもしれません。

絶望的、ネガティブシンキング、弱音、これらは良くないように思えますが、誰もが持っている部分であり時々落ち込む穴であり、もしもこれを丸ごと受け入れて

「俺ってこんなに絶望的だぜ」

と人に胸を張って言えるなら、それはむしろ強みになり得るのかもしれません。

なかなか真似はできませんが、よかったらカフカの生き方、言葉、一度体験してみてください。

絶望と笑いコンビネーションから「強さ」を感じられるはず。